水を使った新たな圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)

CAESイメージ図

圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)は、長寿命で大型化可能なエネルギー貯蔵技術として古くから期待されてきた技術です。しかし、これまでは、圧縮・膨張時の熱の出入りやタンクのコストによりなかなか実用化されてきませんでした。我々は、圧縮時に水を活用し水に蓄熱することによって、総合効率の向上を図るとともに、新たな貯蔵技術の開発により、CAESの実用化を目指します。

水活用での高効率化

圧縮空気エネルギー貯蔵の課題は、空気の圧縮時や膨張時に熱の出入りが起こることによって総合効率が低くなるという点でした。我々は、水を使って空気を圧縮することにより、水に熱を吸収させながら圧縮を行い、空気膨張・発電の際にはその熱を活用することで、高い総合効率の実現を図ります。

長寿命・低コスト

蓄電をリチウムイオン電池によって行う場合、充放電によるセルの経年劣化が生じてしまい、インフラとして使用するためには一定の頻度でセルの交換を行う必要があります。CAESでは、一般に20年以上の耐用年数が見込まれています。これにより、ライフサイクルでみたコストを低く抑えられるといわれています。

レアメタル不要

リチウムイオン電池の正極材の原材料であるリチウム、コバルト、ニッケルについては、資源の埋蔵・⽣産・製錬いずれも特定国へ偏在しています。水と空気を使った圧縮空気エネルギー貯蔵であれば、そういった供給不安・資源制約のないエネルギー貯蔵を実現可能です。